Deep House(ディープ・ハウス)とは – 音楽ジャンル

公開日:  最終更新日:2018/02/18

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Deep House(ディープ・ハウス)

意味

狭義のDeep House

1988年2月、英国レスター・スクウェアにあるエンパイア劇場で開催されたイベント「Deep House Convention」が語源で、これは米国から招いたレジェンダリーDJ、Marshall Jefferson(マーシャル・ジェファーソン)と Frankie Knuckles(フランキー・ナックルズ)に対して敬意を込め、享楽的で商業主義的なハウスの楽曲とあえて区別するために命名された言葉でした。

曖昧な定義のまま生まれた「ディープハウス」という言葉ですが、厳密な本来の意味合いを「狭義のディープハウス」とするならば、フィリーディスコを原点としたシカゴ・ハウスおよびNYガラージ・ハウスの系譜にあるソウルフルでジャジーなハウスミュージックを指していると言えます。

そしてハウスミュージック(現在のディープハウス)は単に4つ打ちに乗せて電子音楽化されたディスコミュージックではなく、誕生時にもう一つ重要なコンセプトを持っていました。(電子音楽化よりも、むしろこちらの方が革新的でした。)

それは、過去のダンスミュージックに対する考察から生まれた「ディスコソングの一番気持ち良いパートやフレーズ、リズムに特化して反復する」という編曲方法です。デトロイト・テクノにも継承されたこの手法は、単に歌モノを打ち込みに置き換えたポップス系のハウスとは異なる、大きな特徴となっています。

参考)mixmag – Stop calling it deep house

Reddit – Why is there so much confusion as to what constitutes real deep house?

「Not everyone understands house music.」

Not everyone understands house music

エディー・ アマドールが生み出し、後にディープハウスのキャッチフレーズとなったメッセージ ”Not everyone understands house music.(誰もがハウスミュージックを理解できる訳ではない)”。 商業主義的な音楽しか解さないリスナーとの間に一線を引き、ディープハウスこそ至高のダンスミュージックだと位置付けるエリート主義的なフレーズとも言えます。この思想は「EDM系ダンスミュージックとの対立」という形で2010年以降に表面化してゆきます。

Eddie Amador – House Music [1997](1分30秒~)

ハウスミュージックのカテゴライズ

「ディープハウス」という言葉は少なくとも1986年~90年代半ばまではキャッチフレーズとして頻繁に使われたものの、このような大雑把な名称は当時のカテゴライズには使われておらず、実際には2000年以降に一般化したカテゴリ名称でした。

サンプル)2000年に設立されたDiscogsの例

このため現在のジャンル分けは過去の音源に遡及して適用された結果にすぎず、だからこそ、80年代~90年代のどの楽曲を指すかについてもよく議論のテーマに挙がります。

ディープハウス系として挙げられるクラブ/イベント

  • Paradise Garage (NY)
  • Club Shelter (NY)
  • The Warehouse (Chicago)
  • The Sound Factory Bar and Sound Factory (NY)
  • Body & Soul (NY)

広義のDeep Houseの登場

ただし最近では拡大解釈された「広義のディープハウス」の意味合いでも使われています。

2010年代からはTech House(テック・ハウス)の変種としてのポップス志向のハウス、Wankelmut、Klangkarussell、Robin Schulz、Felix Jaehnなどの楽曲が ディープハウスの名目で販売されはじめましたが、本来のディープハウスとはリズムセクション以外に関連性の無いものでした。

EDMとハウスのボーダーラインからはコチラ側にあり、ちょうどテック・ハウスやトロピカルハウスと接したサウンドの曲が多くみられます。

新定義のディープハウスが登場した背景には、DTMの進歩によりハウスの楽曲スタイルで「踊れるポップス」をリリースするのが容易になってしまった事情があると言えます。その気になれば古典風のハウスも作れるがその再現にとどまるつもりはない、といった姿勢と余裕も伺えるので、一概に否定するわけにもいきません。

Larry Leavan(ラリー・レヴァン)の影響下にあるアンダーグラウンド・ダンスミュージックとは全く異なる曲調のハウスであるため、古典派からは指摘を受け続けていますが、プログレッシブ・ハウス等のEDM系の楽曲と明確に区別できる便利さもあり、実際にはもう少し柔軟な解釈で使われているようです。

 

狭義のDeep Houseの例

挙げればキリがないため、メジャーなところで一例にとどめます。

Marshall Jefferson – Move Your Body [1986]


Mr Fingers (Larry Heard) – Can You Feel It [1986]


Underground Solution (Roger Sanchez) – Luv Dancin’ [1990]


Robert Owens ‎- I’ll Be Your Friend [1991]


Masters At Work Feat. India – I Can’t Get No Sleep [1993]


Moodymann – I Can’t Kick This Feelin When It Hits [1996]


Pépé Bradock – Deep Burnt [1999]


The Black Madonna – He Is The Voice I Hear [2016]

 

広義のDeep Houseの例

それを表現するのにふさわしい言葉がないため、結果的にDeep Houseとされる例です。

Duke Dumont – Need U (100%) feat. A*M*E [2013]


Route 94 – My Love (Official Video) ft. Jess Glynne [2014]


David Zowie – House Every Weekend [2015]


Dusky – Cold Heart [2017]

 

 

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