Balearic(バレアリック)、Ibiza(イビザ/イビサ) Part 2 ハウス隆盛期

公開日:  最終更新日:2018/11/10

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Part 1 80年代 黎明期
Part 2 90年代 ハウス隆盛期
Part 3 90年代末~2004年 成熟期
Part 4 BBCとイビザ
Part 5 2005年~2014年
Part 6 2015年~現在

90年代 ハウス隆盛期

村上龍の小説「イビサ」が書き下ろされた90年代前半、クラブミュージックの中心はハウス/テクノでした。その頃、日本ではなぜかユーロビートの勢いもなかなか衰えず、実はイタリアの音楽プロダクションは世界から見向きもされなくなったユーロビート/ハイエナジーを日本の音楽市場のためだけにレコーディング、制作し続けていたという秘話もありました。

パラパラの流行に象徴されるように、歯止めの利かなくなった日本のダンスミュージック事情はその後、異世界レベルでワールドトレンドから乖離してゆきます。

それでも海外基準のクラブミュージックを提供していた日本のクラブを挙げるなら、スノッブなシカゴ~NYハウスは「芝浦GOLD」、ドンチャン騒ぎのイタロハウスやハードコア・テクノは「ジュリアナ東京」「ヴェルファーレ」が代表していたと言っても良いでしょう。

80年代後半から90年代にかけて、クラブミュージックの中心はシカゴからNY/ロンドン、そしてイビザへと移って行きます。David Guettaがハウスを布教したパリでは密かにフレンチ・ハウス(フレンチ・ディスコ)も成長します。このフレンチ・ハウスはバレアリックの成熟期にフィードバックされます。

90年代には大量のハウスミュージックが生産されましたが、バレアリックとみなされるものは、Italo house(イタロ・ハウス)Deep House(ディープ・ハウス)の中でもパーカッシブな曲、ラテン調のホーン、地中海ポップスのメロディなどの特徴を持つ曲がメインになります。リゾート地ならではの「ハッピーでチャラい」テイストの傾向も持っています。反面、緊迫感のある曲が少ないと言えます。90年代半ばにはトランスが登場し、イビザのメインストリームとなる時期がありますが、ここでは触りだけにとどめます。

My Bloody Valentine – Soon (Andy Weatherall Mix) [1990]

 

Crystal Waters – Gypsy Woman (She’s Homeless) [1991]米

 

Frankie Knuckles(フランキー・ナックルズ) & Jamie Principle(ジェイミー・プリンシプル)「Your Love」のリワーク曲
The Source Feat. Candi Staton ‎– You Got The Love (Erens Bootleg Mix) [1991]

 

ニール・ヤング原曲の緩いグランドビートカバーもチルアウト系イビザサウンドを象徴しています。

Saint Etienne – Only Love Can Break Your Heart [1991]英

 

下品になってしまう前の、初期のレイブ・サウンド~ハードコアテクノのパイオニア、Slipmatt(スリップマット)の代表曲。

SL2 (Slipmatt & Lime) – DJs Take Control [1991]英

 

Nightcrawlers (MK) – Push The Feeling On

イビザだけでヒットした訳ではありませんがイビザアンセムです。Philip Georgeなど2010年代前半のEDM寄りのディープハウスは、基本的にMK(エムケー)が制作したこの曲のスタイルを踏襲しています。

Nightcrawlers – Push The Feeling On [1992]英

 

Robin S – Show Me Love

「Push The Feeling On」と同系のサウンド。こちらもアンセムです。

Robin S – Show Me Love [1993] 米

 

シンプリー・レッド「Fairground」の元ネタ、Give It Up

イビザの特徴であるパーカッシブなサウンドを極限まで煮詰めるとこうなります、という90年代前半のハウス。1995年には、Simply Red(シンプリー・レッド)の世界的ヒット「Fairground」のリズムトラックとして採用されました。結論として言えるのは ”セルジオ・メンデスはやはり偉大だった”。

Goodmen – Give It Up [1993]蘭

Give It Up 原曲

Sérgio Mendes – Fanfarra (Cabua-le-le) [1992]伯


ネタにされる事が多いセルメンの定番曲「マガレナ」は2017年のイビザでもマッシュアップ曲が出ました。
Sérgio Mendes- Magalenha [1992]伯

 

The Bucketheads – The Bomb!

Masters At Work のケニー・ドープによるイビザアンセム。バレアリックにピタリとハマるシカゴの「Street Player」はこれをきっかけに亜種のマッシュアップ曲がリリースされるようになりました。

Kenny “Dope” Presents The Bucketheads – The Bomb! [1994]米

The Bomb! 原曲

Chicago – Street Player [1979]米

 

Jamiroquai – Space Cowboy (David Morales Remix) [1994]

 

イビザアンセムですがミュージックビデオもイビザの街中とクラブPACHAで撮影しています。ポン引きに戸惑いつつ、一目惚れの彼女に巡り合うアメリカ人旅行客!

The Original – I luv U baby [1995]米

 

初期トランス・ミュージック

トランスがパチンコ屋のBGMに成り下がってしまう前の段階、特にこの頃のトランス初期の楽曲群は教会音楽や交響曲、映画音楽のような品格・エレガントさを持っています。

The O.T. Quartet – Hold That Sucker Down [1994]英

 

Faithless – Insomnia [1995]英

 

トランスという音楽を世界に認めさせた曲「チルドレン」。2017年5月9日、ロバート・マイルズ、イビザに死す。R.I.P.

Robert Miles – Children [1995]伊

 

世界中でヒットしたため外すかどうか悩む曲ですが、やはりイビザの定番曲であり傑出した別格の曲なのでリストインしました。映画「トレインスポッティング」の人気と合わせて世界中を虜にした曲です。もう一つのクラブアンセム「Rez」と共に2018年の今聴いても凄い!

Underworld – Born Slippy .NUXX [1995]英

 

Groove Armadaと共にイビザ向きの傑作を多く持つ音楽ユニット、ベースメント・ジャックスのようなBig Beat(ビッグ・ビート)陣も加わります。音楽ジャンルが多岐に渡る事が、バレアリックをカテゴライズしにくい理由です。

Basement Jaxx – Samba Magic [1996]英

Samba Magic 原曲

そもそも原曲が素晴らしすぎて聴き惚れてしまいます。恐るべしブラジル音楽!

Airto Moreira-Samba de Flora [1989]伯

 

Tori Amos – Professional Widow (Armand Van Helden Remix) [1996]米

 

Ultra Nate – Free

ジャンルの変遷はあるものの、グロリア・ゲイナー「I Will Survive (恋のサバイバル)[1979]」などの系譜にある正統派ゲイディスコのセンチメンタルなメロディラインです。

Ultra Nate – Free [1997]米

 

UK GarageヒットでもあるSugar Is Sweeter
CJ Bolland – Sugar Is Sweeter (Armand van Helden Mix) [1996]

 

チルアウト系のイビザアンセム、At the River

パティ・ペイジの歌声をそのまま使用したダウンビートの名曲です。
Groove Armada – At the River [1997]英

At the River 原曲

Patti Page – Old Cape Cod [1957]米

 

French Disco/Nu Disco への流れを作ったStardust

00年代になってNu Disco(ニューディスコ)のアンセムと認知された超有名曲!

Stardust – Music Sounds Better With You [1997]仏

Music Sounds Better With You サンプリング曲

Chaka Khan – Fate [1981]米

 

Armand Van Helden – You Don’t Know Me [1998]米

U Don’t Know Me 原曲

Carrie Lucas – Dance With You [1979]米

 

Mousse T. feat. Hot ‘n’ Juicy – Horny ’98 [1998]独

Horny サンプリング曲

Earth, Wind & Fire – Something Special [1983]米

 

イビザ・クラシック、Needin’ U

音楽オタクが災いしてデップリとした人が多いディープハウスDJ界の中で、フェロモンをプンプンと放つムキムキマッチョのエロオヤジっぷりを貫いているデヴィッド・モラレスさんの代表曲です。普段から音楽を試聴しながら腕立て伏せをしているのでしょうか。一度、パートナーだった富家さんに尋ねてみたいです。

2018.10.7 追記 まさかの福岡空港でモラレス親父はMDMA(エクスタシー)所持によりお縄になってしまいました…だから日本はイビザと違うんだってば…。

David Morales – Needin’ U [1998]米 ※ 富家哲の姿もチラリと映っています

Needin’ U 原曲

Rare Pleasure – Let Me Down Easy [1976]米

 

Black Legend – You See The Trouble With Me [1999]

 

Underworldは世界中でヒットした「Born Slippy」もアンセムに挙がりますが、4thアルバムでバレアリックを意識した音を盛り込んできたこの曲も見過ごせません。
Underworld – Two Months Off [2002]英

Part 3につづく

 

Part 1 80年代 黎明期
Part 2 90年代 ハウス隆盛期
Part 3 90年代末~2004年 成熟期
Part 4 BBCとイビザ
Part 5 2005年~2014年
Part 6 2015年~現在

 

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