Rockist(ロッキスト)、Rcokism(ロッキズム)

公開日:  最終更新日:2021/03/30

意味

Rcokism(ロッキズム)とはロックミュージック・コミュニティにおいて認められる、他の音楽形態のポピュラー・ミュージック(特にプロデューサー主導のディスコ、R&B、ヒップホップなど)を差別しようとするバイアス(偏向)を指します。

1981年にイギリスのロックミュージシャン、Pete Wylie(ピート・ワイリー:WAH! HEAT)によるRace Against Rockism(反ロッキズム)キャンペーンによって現れたこの言葉は、イギリスの音楽評論家の間で自嘲気味に使われることになりました。

Rockist(ロッキスト)とは、ロックミュージックをポピュラーミュージックの(証明もしくは反証不可能な)規範であるとみなす人の事を指します。

2000年代中盤までは、この言葉は小さな音楽雑誌の枠の中でしか使用されず、音楽関連のブロガーがその言葉を分析的な議論で用いていた程度でした。

2000年代に入り、ポップミュージックの批判的な再評価が Poptimism / Popism(ポプティミズム/ポッピズム)により再燃し、2010年代にはポップミュージック批判のイデオロギーとしてロッキズムにとって代わることになります。

Poptimist(ポプティミスト)の講釈に対する反対者は、特定のポップスターだけが(無批判のコンセンサスを維持するための努力として)ネガティブなレビューから妨げられていると考え、このムーブメントを批判しました。

背景

1960年代~1970年代の間、Rolling Stone(ローリング・ストーン)Creem(クリーム)のような音楽雑誌は(研究する価値があるポピュラーミュージックかどうかという点での)音楽批評の基礎を築きました。

これら批評家の中には、不朽のポップミュージック・アートとはシンガー・ソングライターが伝統的なロックの楽器を使用してロングプレイの曲で構成されたアルバムのことであり、 ポップスのヒット曲などは審美的に低い水準に属し「やましい悦楽」の源だとする者達もいました。

しかし後に、ヴィレッジ・ヴォイスの音楽評論家、Robert Christgau(ロバート・クリストガウ)ですら、ローリング・ストーン誌が1967年の設立以来主張してきた「boring rock-as-idealism myth(理想主義神話としての退屈なロック)」「音楽の宗主としての地位」を告発することになります。

Rockism(ロッキズム)

ロッキズムの概念が貴方を混乱させ、Pink Floyd(ピンク・フロイド)がGang of Four(ギャング・オブ・フォー)よりも当然優れている、 そして良い音楽がPunk(パンクミュージック)で止まってしまったと、ぼんやり考えていたなら、貴方はロッキストであり、間違っていたことになります・・・。

それは以下の事に関係します。

  • a)Bruce Springsteen(ブルース・スプリングスティーン)とCaptain Beefheart(キャプテン・ビーフハート)、アルバムとシングル、知性と愚かさ、 キラキラした衣装とデニム, 不安定な概念と人口的・作為的なもの。
  • b) ニック・ドレイクとクリスティーナ・アギレラを同じレベルで聞くことができるか。
  • c) ロックグループのギターの持ち方、同様に足の使い方。
  • d) ハードコアなロッキストの価値を高級グラビア誌に変えたQマガジン
  • e) Franz Ferdinand(フランツ・フェルディナンド)がアンチロッキストにとってノスタルジックであるにも関わらず、彼ら自身は本質的にロッキストであるという事実。

(NMEのライター、Paul Morleyより)

 

とは言え、高尚な音楽~高みを目指す音楽と、低俗な商業音楽、そこに価値の差が全く存在しないかと問われると、そうは言い切れないのが難しいところですよね・・・。

ジャンル間の比較ではなく、それぞれのジャンルの内部に高尚な楽曲と低俗な楽曲のヒエラルキーが存在する(つまりロック名盤と商業ポップス、商業ロックとポップス名盤を比較しても無意味である)、というのが実情だと思います。 プログレバンドとして成功する以上にバート・バカラックやビリー・ジョエルになる事の方が困難だという前提に立てばですが。

また日本の場合は戦勝国の欧米と異なり、音楽の選別にあたって敗戦後の四畳半フォーク的情緒や倫理観が介入していた時期があり、欧米以上に偏向が大きいように思います。(邦楽ファンはもとより90s以前の洋楽ポップス~ロックファンがヒップホップやダンスミュージックに向ける厭忌など)

みなさんはどう思われるでしょうか?

 

参考資料

マーク・ロンソン: サンプリングが音楽を変えた

Bruno Mars(ブルーノ・マーズ)「Uptown Funk」をヒットさせたマーク・ロンソンが、史上5番目に多くサンプリングされてきた80sオールドスクール・ヒップホップの有名曲 Doug E. Fresh(ダグ・E・フレッシュ)の「La Di Da Di」等を例にとり、サンプリングの価値と音楽資産の新しい再利用方法について解説しています。

グラミー賞選考委員会によると対象となる曲が他の曲から借りた音楽を含んでいるとその年の最優秀楽曲賞には選ばれません。ロッキストたちはロックミュージック至上主義の差別主義者ですがいつも彼らの理論を~ロッキストって本当にある言葉なんですよ、いつもラップやモダン・ポップ音楽を蔑むための持論を利用していますが、こうした彼らの理論は完全に的外れです。なぜならダムは決壊してしまって私達はポストサンプリング時代にいるからです。私達は好きな音楽を手に取りそれを加工し発展させて行きます。そういうものなんです。…(by Mark Ronson)

How sampling transformed music | Mark Ronson

 

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